RCEP協定署名、日本に具体的な利益もたらす=加藤官房長官

Reuters

発行済 2020年11月16日 13:03

[東京 16日 ロイター] - 加藤勝信官房長官は16日午前の会見で、日本など15カ国が15日に署名した東アジアの地域的な包括的経済連携(RCEP)協定について、工業品の完全な関税撤廃や国内農産品への影響回避など日本にとっての成果を挙げ、今後の東南アジア諸国連合(ASEAN)諸国との協力関係に弾みがつくことへの期待を表明した。

同長官は「自由で公正な貿易体制の推進にとって重要な一歩と考えており、電子商取引や知的財産など幅広い分野について、各国が初めて公的義務として約束するルールが盛り込まれた」ことを評価した。

また、日本企業にとっては「各国市場へのアクセスについて、自動車など工業品や農林水産品で関税撤廃を獲得、サプライチェーンに資する原産地ルールも含まれ、日本にとって具体的な利益をもたらす」と強調。農産品輸入についても「重要項目について過去のEPA(経済連携協定)の範囲内に抑制しており、国内農産品への影響はない」との認識を示した。

国際オリンピック委員会(IOC)のバッハ会長が来日し菅義偉官房長官と会談したことに関しては、来年の五輪東京大会の安心・安全な開催に向け有意義な意見交換が行われたと述べた。大会成功に向けて関係者が取り組んでいるタイミングでの、大会成功に向けた来日であると強調した。