オランダ検察、UBSトップ捜査へ INGの資金洗浄問題で

Reuters

発行済 2020年12月10日 01:41

[チューリヒ/アムステルダム 9日 ロイター] - オランダの高等裁判所は9日、同国の大手銀行INGグループのトップだったラルフ・ハマーズ氏が同行内で行われていたマネーロンダリング(資金洗浄)を放置した疑いがあるとして刑事捜査を命じた。

ハマーズ氏は1カ月前に、スイス金融大手UBSの最高経営責任者(CEO)に就任したばかり。UBSはマネーロンダリングと脱税を巡る不祥事からの建て直しを図っている。

UBSは、検察当局による捜査の間、ハマーズ氏が職務にとどまると発表。オランダの反マネーロンダリング問題に関する独立した評価を含む広範なデューデリジェンスをハマーズ氏の採用前に行ったと説明した。

UBSのウェーバー会長は「ハマーズ氏の当社を率いる能力を全面的に信頼している」とし、「われわれは、これらの独立した評価の結果および当時のオランダ検察の評価に十分納得している」と述べた。

スイス連邦金融市場監督機構(FINMA)も、ハマーズ氏の指名審査でオランダの反マネーロンダリング問題を調査し、ハマーズ氏がUBSトップの役割に「適任適切」であることを確認したと述べた。

INGは2018年、顧客によるマネーロンダリングやその他の犯罪行為を摘発しなかったことを巡り、7億7500万ユーロ(約9億4000万ドル)を支払うことでオランダの検察と合意した。