イタリア首相、連立内からも辞任圧力 政局混迷深まる

Reuters

発行済 2021年01月25日 23:04

更新済 2021年01月26日 01:36

[ローマ 25日 ロイター] - イタリアでは25日、コンテ首相に対し連立政権内から辞任を求める圧力が高まり、政局の不透明感が一段と高まった。

連立与党の一角である中道左派「民主党(PD)」のジンガレッティ書記長(党首)はこの日、連立拡大に向けたコンテ首相の取り組みを支持するとし、コンテ首相は辞任すべきではないと述べた。

ただPD所属議員は、コンテ氏が辞任し、新たな連立政権樹立に向け正式な交渉を開始する必要があると主張。辞任しなければ、週内に上院で実施される司法制度に関する採決で敗北すると警告した。

コンテ氏は直接的にはどの政党にも属していないが、「五つ星運動」と近い関係にある。五つ星運動はコンテ氏に支持を表明。少数政党「イタリア・ビバ」を率いるレンツィ氏について「問題」だとし、同氏の解決策への関与を拒否する姿勢を示した。

イタリアでは今月、コロナ危機への対応を巡りコンテ首相と対立したレンツィ元首相が連立政権からの離脱を表明。レンツィ氏が率いる「イタリア・ビバ」出身の閣僚らが辞任し、政局は混乱に陥った。

コンテ首相は19日に上院の信任投票を乗り切ったものの、上院で絶対多数の票は確保できなかった。新たな支持を取り付けない限り、政策の実行が難しい状況となっている。