ミャンマー軍トップ、再選挙と権限移譲を約束 デモけん制

Reuters

発行済 2021年02月08日 19:02

更新済 2021年02月09日 09:54

[8日 ロイター] - ミャンマー国軍のミン・アウン・フライン総司令官は8日、国営テレビで演説し、民主主義の規則に従い再び選挙を実施すると述べ、勝利した政党に権力を移譲すると表明した。クーデターで全権を掌握した後、同氏が国民向けに演説するのは初めて。

「感情に任せず、事実を重視するよう求める」と述べ、ミャンマー全土に広がる反国軍デモをけん制した。

また、アウン・サン・スー・チー氏が率いる国民民主連盟(NLD)が勝利した昨年11月の総選挙について、不正があったと改めて主張し、クーデターを正当化した。

選挙の実施時期は明確にしなかったが、国軍は非常事態宣言を1年続けるとしている。

過去の軍事政権とは異なり、憲法を尊重すると強調。今回の政変で外交政策が変更することはなく、ミャンマーへの投資を歓迎すると強調した。クーデターで拘束したアウン・サン・スーチー氏には言及しなかった。

<各地で広がる抗議デモ>

ミャンマーでは先週の軍事クーデターに対する抗議活動が3日連続で行われ、数万人が街頭デモに参加。不服従運動への支持を呼び掛ける声も大きくなっており、クーデターに対する国際社会の非難の声も広がっている。

首都ネピドーではこの日、警察が、抗議デモ隊に対し解散しなければ武力で排除すると警告した。

メディアの中継では、道路に武装警察が3列に並び、放水車が待機している。デモ隊は、クーデターへの抗議の声を上げるとともに、警察に対し、国軍でなく人民のために働くべきと訴えた。

この日、在ミャンマー米国大使館は、ヤンゴンとマンダレーで午後8時から翌朝午前4時までの外出禁止令が出されたと報告を受けたと明らかにした。

国営テレビは8日、国民の不法行為を容認せず、犯罪者は阻止され排除されるとのメッセージを流した。

MRTVのメッセージでは、国家の安定や国民の安全、法の統治を揺るがす行動に対しては法的措置を取るべきだと表明。また、人々は強制されたり脅されたりなどしているとして、規律がなければ民主主義が崩壊すると警告した。

通常番組の放送中、テロップの形でメッセージが表示されている。発信源など特定の組織などへの言及はなかったが、当局がデモに言及したコメントはこれが初めて。

アプリを入手する
Investing.comで、世界の金融市場の最新動向をチェックしましょう!
今すぐダウンロード

<国連人権理、12日に特別会合>