台湾、米が為替操作地域に指定も 制裁は想定せず=中銀総裁

Reuters

発行済 2021年03月11日 11:25

更新済 2021年03月11日 14:37

[台北 11日 ロイター] - 台湾中央銀行の楊金龍総裁は11日、米国が台湾を為替操作国・地域に指定する可能性があるとの見方を示した。米政府が用いる3つの主要判断基準に台湾は既に当てはまるという。立法院(国会に相当)で述べた。

楊総裁は議員の質問に対し、為替操作国・地域に指定されても、さほど深刻な問題ではなく、直ちに台湾の不利益にはならないと述べた。

台湾に「通商法301条」が適用され、関税が課される事態は想定していないと説明した。

その上で、台湾ドルが上昇している理由について米国と協議することが重要と述べた。米国が超緩和的な金融政策を採用していることや、米中貿易紛争のあおりで台湾のハイテク機器輸出が伸び、対米黒字が増加していると指摘した。

台湾ドルは昨年、米ドルに対して5.6%上昇し、今年も好調な輸出と景気回復を背景に上昇が続いている。

しかし楊総裁は「米ドルはこのところ堅調だ。台湾ドルは均衡に近い。これは良い兆候だ」と語った。

米財務省は経常黒字、対米貿易黒字、為替介入の規模を為替操作国・地域を認定する基準としている。台湾中銀は10日、2020年の為替介入額が急増したことを明らかにした。

昨年の対米貿易黒字は前年比約70億ドル増の299億ドル、経常黒字は域内総生産(GDP)比約11%で、こちらも条件を満たしている。