カナダ政府が新年度予算案、総選挙視野に景気回復促進へ

Reuters

発行済 2021年04月20日 10:46

[オタワ 19日 ロイター] - カナダ政府は19日、約500億カナダドル(約400億米ドル)の新年度予算案を発表した。新型コロナウイルス感染症のパンデミック(世界的大流行)が続く中、緊急支援策を継続・拡大し、年内に見込まれる総選挙を視野に景気回復を促す。

パンデミックのため、政府が通年の予算案を発表するのは2年ぶりとなる。

政府は昨年終盤に今後3年間の成長計画として1014億カナダドル規模の刺激策を打ち出す方針を表明しており、今回の予算案で1年目に半分近くの財政支出を実施する。

フリーランド財務相は、記者団に対し「新型コロナとの闘いを終わらせる必要がある。それには多額の資金がかかる」と述べ、パンデミックで今も多くの国民が失業状態にあると指摘した。

リベラル派の関係者によると、トルドー首相は与党自由党の単独過半数獲得を目指し、年内に総選挙を実施する見込みだ。現状では今回の予算案を含め、法案の可決に他党の支持が必要となる。

予算案では、企業向け賃金・家賃補助プログラムなどパンデミックからの回復支援策の延長や、企業の採用再開を促す新たなプログラムに270億カナダドルを充てる。

リベラル派の有権者にとって重要な施策である全国的な保育プログラムの創設や温室効果ガス排出量削減への取り組む強化も目指す。