EUがインド太平洋戦略、9月に具体案 中国をけん制

Reuters

発行済 2021年04月20日 11:38

[ブリュッセル 19日 ロイター] - 欧州連合(EU)は19日、オンラインで外相会合を開き、インド太平洋地域でEUの利益を守り、中国の覇権に対抗するため、安全保障や通商などさまざまな分野を通じて同地域での影響力を高めることで合意した。9月に戦略の具体案をとりまとめる。

声明に中国についての直接の言及はなく、外相らも戦略が「反中国」を意図したものではないとした。しかし、EUとしては独裁的強権主義の拡散には反対することを中国政府に示すのに、新たな戦略を用いていく狙いがある。今回の声明は、バイデン米政権の中国対抗策への支持もにじませた。

新戦略構想はフランスやドイツやオランダが主導。声明はEUが同地域での戦略を強化することについて、「民主主義と法の支配、人権、国際法」の促進に基づくものだと指摘。同様の志を持つパートナー国などや安全保障、防衛の組織と連携を深めるとした。

EUは今後、新戦略の下でインド太平洋地域の問題に対する外交的関与を強めたり、同地域への投資を強化したりする可能性がある。領海問題などで係争中の南シナ海への船舶派遣や、オーストラリアによる海洋警備活動への参加なども検討する可能性がある。