和平交渉関与のロシア人富豪やウクライナ担当者に中毒疑惑=報道

Reuters

発行済 2022年03月29日 02:29

更新済 2022年03月29日 05:18

[28日 ロイター] - ロシアとの和平交渉に協力するようウクライナが要請していたロシアの富豪ロマン・アブラモビッチ氏およびウクライナ側の少なくとも2人の交渉担当者が今月行われたキエフでの会談後に中毒が疑われる症状を発症していたと、米紙ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)と調査報道機関「べリングキャット」が関係者の話として28日に報じた。

WSJによると、ロシアのウクライナ侵攻を終わらせる交渉に協力するようウクライナの要請を受けたアブラモビッチ氏と、ウクライナ側の少なくとも2人の幹部が影響を受けたという。

報道について、ウクライナ側は否定的な見解を表明。ウクライナ代表団のポドリャク大統領顧問は「多くの憶測、様々な陰謀論がある」と指摘した。他の交渉担当者も「信ぴょう性の低い情報」を信用しないよう呼び掛けた。

ウクライナのクレバ外相は国営放送のインタビューで「誰もがニュースやセンセーションに飢えている」と述べたほか、「ロシアとの交渉に行く人は、何も食べたり飲んだりしないことを勧める。できれば何の表面にも触れないほうがいい」と皮肉った。

米当局者は28日、ロイターに対し、アブラモビッチ氏およびウクライナ交渉担当者の体調不良は毒物ではなく環境要因によるものとの見解を示した。

ロシア大統領府は現時点で電子メールによるコメント要請に応じていない。

<目の充血や皮膚の剥がれ>

WSJの報道によると、目の充血や痛み、顔や手の皮膚の剥がれなどが見られたが、その後回復し命に別状はないという。