韓国大統領、NATO首脳会議で演説 普遍的価値が脅威にと警告

Reuters

発行済 2022年06月30日 14:05

更新済 2022年07月01日 07:27

[ソウル 30日 ロイター] - 韓国の尹錫悦大統領はスペインで開かれた北大西洋条約機構(NATO)首脳会議で、新たな対立と競争の時代の中で普遍的価値が脅かされていると警告した。ロシアのウクライナ侵攻と中国のロシアへの関与に言及したもの。政府高官が明らかにした。

韓国大統領のNATO首脳会議出席は初めて。

政府高官によると、尹氏は29日に行った演説で「競争と対立の新たな構造が形作られており、われわれが守ってきた普遍的な価値を否定する動きもある」と述べた。

ロシアと中国を名指しすることは避け、一国では解決できない複雑な安全保障上の脅威に国際社会は直面していると指摘した。

同高官は「尹氏はウクライナ戦争に言及した。他のほとんどの参加国と同様に、戦争に対するロシアの責任と国際社会における中国の責任について懸念を示した」と説明した。

首脳会議には韓国のほか日本、オーストラリア、ニュージーランド(NZ)がオブザーバーとして出席した。

同高官は「(これら4カ国の首脳は)それぞれのインド太平洋戦略を模索している」とし、「その中心には中国に対する懸念とさまざまなジレンマがある」と述べた。

NATOは29日の首脳会議で今後10年間の防衛・安全保障の指針となる新たな「戦略概念」を採択し、ウクライナ侵攻を続けるロシアを「直接の脅威」と位置づけた。さらに今回初めて中国について言及し、中国が「深刻な挑戦」を突き付けていると指摘した。