北朝鮮、韓国の支援計画を一蹴 核放棄と引き換え案は「未熟」

Reuters

発行済 2022年08月19日 07:29

更新済 2022年08月19日 12:10

[ソウル 19日 ロイター] - 北朝鮮の金正恩朝鮮労働党総書記の妹、金与正氏は19日、核兵器の放棄と引き換えに経済支援するという韓国の提案について、受け入れないと表明した。

韓国の尹錫悦大統領は今年5月、就任式典後の演説で、北朝鮮の核兵器開発は脅威だが、北朝鮮が非核化にコミットすれば、経済計画を提供する用意があると述べていた。

尹氏は就任から100日を迎えた17日の記者会見でも、北朝鮮が核開発を断念し非核化に着手すれば、大規模な経済援助を提供すると改めて強調した。

金与正氏は朝鮮中央通信(KCNA)が伝えた声明文で、韓国の案は無知によるものであり「現実からかけ離れた愚行の極み」と断じた上で「北朝鮮が非核化措置を取れば」という前提自体が誤りだと表明。

「わが国の中心たる核を『経済協力』と交換するという考えが、尹錫悦の夢、希望、計画であることを考えると、彼が本当にうぶで、未熟だと判断せざるを得ない」と述べ、「コーンケーキと運命を交換する人はいない」と指摘した。

また、尹氏について「口を閉ざしていれば彼の印象はもっと良かっただろう」と皮肉った。

さらに、今回の計画が機能しないため、尹氏が今後別案を提示してくるかもしれないが、「われわれは彼と面と向かって座ることはないと明確にする」と強調した。