スナク英首相、移民移送法案下院通過で与党内に深い亀裂

Reuters

発行済 2024年01月18日 13:57

Andrew MacAskill Elizabeth Piper

[ロンドン 17日 ロイター] - 英下院は17日、不法入国した移民をルワンダに強制移送する法案を賛成多数で可決した。ただ、スナク首相は与党保守党内の強い反対意見を押しのけたことで権威に陰りが生じ、党内の亀裂が拡大するという高い代償を払うことになった。

スナク首相はこの間、不法入国者対策で厳格化の新法を求める党内右派に向けて形ばかりの秋波を送って造反を鎮めていた。一方、中間派は厳格化が人権擁護に反する可能性があると懸念を表明。党内が混乱し、スナク首相はリズ・トラス氏による短命政権に続いて党の立て直しに失敗したと批判を浴びていた。

採決の前日の情勢は反対派が約60人に及んだ。ただ、党内では、このまま採決に持ち込んだ場合、政権が崩壊しかねないとの懸念が浮上。結局、採決では反対が11人にとどまった。