日米首脳会談、同盟は「強固でグローバル」 防衛協力に重点

Reuters

発行済 2024年04月11日 00:53

更新済 2024年04月11日 05:45

[ワシントン 10日 ロイター] - 岸田文雄首相は10日、米首都ワシントンのホワイトハウスでバイデン大統領と会談した。両首脳は会談の冒頭で、中国抑止に向けた防衛協力に重点を置き、強固な日米の同盟を強調した。

会談はインド太平洋地域における問題のほか、ウクライナやガザ情勢などを焦点に約2時間にわたり行われた。

バイデン大統領は共同記者会見で、日米両国が軍の相互運用性を高め、指揮統制を向上させることで一致したほか、オーストラリアとも連携し、新たな防空ミサイル防衛を構築すると表明。今回の会談での成果を日米同盟が確立されて以降、「最も意義深い同盟の強化」と称賛した。

両首脳はまた、日本の宇宙飛行士が米航空宇宙局(NASA)の月探査ミッションに参加することでも合意した。

岸田首相は中国と台湾の緊張についても協議したとし、いかなる場所であれ「力もしくは威圧による一方的な現状変更の試みは断じて受け入れられない」と言明。日米両国は引き続き緊密に連携し、中国を巡る課題に対応していくことで一致したと明らかにした。

同時に、中国との対話を継続し、共通の課題について中国と協力することの重要性も確認したと述べた。

バイデン大統領も中国とのオープンなコミュニケーションラインを維持すると表明。日米同盟は防衛的な性質を持つとの認識を示した。

北朝鮮に関しては、岸田首相は多岐にわたる問題の解決に向け、北朝鮮の金正恩朝鮮労働党総書記との首脳会談を望んでいるという考えを改めて表明。バイデン大統領は、北朝鮮との対話を開始する機会を歓迎すると述べた。

会談の冒頭でバイデン大統領は、岸田首相がロシアのウクライナ侵攻時に示した「勇敢な」反対姿勢や韓国との関係改善への取り組みを評価。「日米同盟は真にグローバルなものだ」とし、「日米はかつてないほど強固な防衛同盟と強力なインド太平洋を構築している」と言明した。